続・アラサー女と医学部再受験

文系・元うつ・宅浪→編入試験に合格しました。医学生やってます。→国家試験に合格しました。研修医やってます。

生理学、医学部に入ってから使った教科書

生化学に引き続き生理学。これも重たい科目でした。

が、悩める医学生にバイブルが!

「人体の正常構造と機能」

これは買っときましょう。2万円するけど。でも買い。これは必須。先生も「これはみんな持ってるんでしょ?」ってスタンスだし。

Twitterでも話題になってました。
今買うと電子書籍がついてくるらしい。私の時はなかった。いいなあ。

解剖と生理学、あと組織も、って感じの本です。
解剖と組織は、アトラスをこれとは別に持っておいたほうがいいと思いますが、生理学はだいたいこれだけでいけます。足りない範囲もなくはないけど、図書館でちょこちょこ調べる程度で大丈夫。

小テーマに分かれてるので、部分的に読むって使い方ができるのがよい。あと絵が豊富。

カラー図解 人体の正常構造と機能 全10巻縮刷版【電子書籍つき】

カラー図解 人体の正常構造と機能 全10巻縮刷版【電子書籍つき】

 

これのせいで他の生理学の教科書、売上落ちたんではないだろうか。
 

「標準生理学」は、詳しすぎてよくわかんなかったです。ちゃんと知りたいと思った項目について、辞書的に使うのがいいのかも。

やや簡単系教科書では、「生理学テキスト」がわかりやすかった。けど「人体の正常構造と機能」を買っちゃったので、結局買いませんでした。

生理学テキスト

生理学テキスト

 

 

いきなり教科書のレビューから書き始めちゃったけど、基礎医学全体の概観とかも書きたいなあ。編入の勉強してる時も、とりあえずエッセンシャル、って感じで必要な知識の全体像とか全然考えてなかったです。

 

生化学、医学部に入ってから使った教科書

CBTをパスし、座学は一応終えたことになります。ほんの数年前まで「医学部受からん〜〜」ってやってたのに、時の流れは速いなあ(なんだかんだ、医学の勉強楽しいです。がんばれ受験生!!!)。

ここで一区切りということで、医学部に入ってから使った教科書もまとめてみようかなと思います。

最初は、私の一番苦手な生化学でございます。

生化学の授業は、全部ものすごいボリュームで、レジュメを追ってくのに精一杯、教科書を通して読む余裕なんてありませんでした。なのでここに挙げるのは主に辞書的に使ったやつです。

「イラストレイテッド ハーパー生化学」

生化学の教科書界の大御所「ハーパー生化学」をとっつきやすくしたやつ。特に、代謝経路がわからない!って時に引いてました。全部読むのは正直無理。

似たようなテイストの教科書として、リッピンコットを使ってる人もいました。たぶん図書館にはあると思うので、見比べてみるといいかも。 

イラストレイテッド ハーパー・生化学 原書30版 (Lange Textbook シリーズ)

イラストレイテッド ハーパー・生化学 原書30版 (Lange Textbook シリーズ)

 
イラストレイテッド生化学 原書6版 (リッピンコットシリーズ)

イラストレイテッド生化学 原書6版 (リッピンコットシリーズ)

 

そういえば、生化学の教科書を選ぶ時は「どういう分野の人に向けて書かれているか」を重視しろって言われました(化学とか、純粋な生物とか、医学とか、「生化学の教科書」はそれぞれの分野で出てるってことだと思います)。

医学生向けのやつかどうか、調べてから買ったほうが良さそうです。

「医学のための細胞生物学」

生化学が疾患と関連しだした頃に読んだ本。授業の内容を整理するのに便利でした。
生化学最初の一冊には向いてない本だと思います。

しかし生化学と分子生物学と細胞生物学の違いがよくわからない・・・。

医学のための細胞生物学

医学のための細胞生物学

 

ほんとは、教わる疾患は全部こういうレベルで理解したいよなあ。

「はじめの一歩の生化学・分子生物学

生化学の授業が全部終わってから、同級生から教えてもらった本。なんだこれは、初学の時に知りたかった、と思いました。

編入の勉強をしてた時に、穴埋め式の本当に簡単な生化学のテキストを使っていたんですが、ああいうノリで、もうちょっとつっこんだ内容です。 あのテキストの代わりにこれ使えばよかったなと思う。

はじめの一歩の生化学・分子生物学 第3版

はじめの一歩の生化学・分子生物学 第3版

 

ハーパーもこれもそうなんですけど、実際に私がみたのは古い版なので、新しい版の評判はわかりません。すみません。


やっぱり、結局シンプル生化学は使わず。

メンタルの弱い人間が医学部で学ぶということ・その後

去年の春休みに、うつヌケ医学生田中圭一先生リスペクト)の大学での過ごし方についての記事を書きましたが、あれから1年を過ごしてみて、今思うことを書いてみます。

1311.hatenablog.com

 

今年はCBTがあり、医学部6年間の間でも「まあ重ため」の年でした。たぶん(たぶん、というのは、先輩方のいう「あれ(ex. 解剖)乗り越えたらあとは楽になるよ〜」が期待してるほど信用できないため。ハードルはちょこちょこやってくる。まあでも次の大きなハードルが卒試・国試なのはおそらく間違いないです)。

加えて、CBT以外にも私生活でゴタつきがあり、あ、このままいくと再発するかもしれん、って時期がありました。


その超えちゃいけないラインを超えずにすんだのは、CBTが実はそれほど高くないハードルだったから、というのはたぶん大きい。

先輩からは「CBTはみんなビビるけどまあ通る試験だから気楽に受けていい」って聞いていて、私はその言葉を信じきれずにビビりまくってましたが、終わってみれば、気楽に受けても大丈夫な試験だったと思う。

しかし卒試・国試は未知数。国試なんて気楽に挑めばいいんだよ〜っていう人はみたことない。どうやったらこれらを無事に乗り切れるかは今後の課題です。

超えちゃいけないラインが見えたの、すっごく怖かったけど、次のハードルへの備え方を考える機会を得られた点ではよかったのかも。


バッドニュースはそれくらいにしてグッドニュースにうつりますと、授業以外の何かを楽しめる範囲でがんばる、というのを実行できています。前回「やることの幅を拡げたい」って書いてたやつ。何やってるかは内緒w

キャパシティを超えないように軌道に乗せるのに手間取ったところはありましたが、周囲の人に恵まれているのもあって、私としては満足度高くやれています。


で、学校での勉強も含めて、私に合ったがんばり方が見えてきたような気がします。

やりたいことを10としたら、8を目標としてやってみて、結果6〜7できていれば満足する、って感じです。

医学部って本当にすごい人が多くて、ついみんなと同じようにがんばりたい!と思っちゃいますがそこは我慢。

人によっては「なんて後ろ向きなんだ・・・」って感じるかもしれないですけど、これくらいが私の身の丈に合ってるんだと思う。

でも自分の世界を狭めたくないので、「10やりたい」とまず思ってみるようにはしてます。もし余力があったら次回やってみよう、ってできる。


という感じで、結果的には無事に過ごしてます!

OSCE対策、やったこと

CBTについて書いたので、OSCEについても書いておこうと思います。

CBTが座学の試験なら、OSCEは実技の試験です。要はお医者さんごっこ。

しかしこの二つをクリアしないとポリクリに行けません。


OSCE対策に使ったものは、

  • 学習・評価項目が載ってる冊子
  • 評価機構が作ってるDVD
  • 「診察と手技がみえる vol.1」

です。上二つは大学が用意してくれると思います。


「診察と手技がみえる」は、OSCEに通ることだけを考えたらたぶん必要ないです。こういう異常があるとこういう所見、っていうところまで書いてあるんですが、ポリクリ前のOSCEで評価されるポイントは、実際に所見をとることでなく、診察の仕方を知ってるかどうか、ですもん。

とはいえ、いちいち動画見てられない!って時とか、「なんでこういう動作になるの?」って疑問を持った時(特に神経診察)に便利でした。

診察と手技がみえる〈1〉

診察と手技がみえる〈1〉

 

 

以下、練習に際して、注意したほうがいいなあと思ったポイントを挙げます。

教わった内容は同級生と共有する

試験前の練習では、小グループにわかれて、それぞれ違う先生に教わります。つまり教わる内容がグループによって結構違う。

それに、正しく理解しないまま練習して、先生から直されもせず、間違ったことを覚えちゃったりするかもしれない。その辺を他のグループの人とチェックし合うのも重要だと思いました。

アウトプットも重視(特に神経診察)

学習・評価項目の冊子を見ながらそれに沿って、項目全部を一連の流れとして練習することになるのではないかと思うんですが、サンプル課題を見るとわかるように、本番は項目名のみでの出題です。

項目名と、実際にやることが正しく結びついてないと、本番で完全に的外れなことをやってしまう可能性があります。

なので、インプットが一通り済んだら、適当に項目を抜き出してサンプル課題の類題みたいなやつを作り、試験スタイルで練習するようにしました。これもよかったと思う。制限時間も意識できるようになりました。

 

ゴロ、セリフ、メモの取り方(医療面接)

聞くべき項目を網羅しなくてもよいとはいえ、実際にやってみると焦って質問が口から出てきません。いろいろ準備が必要。

ゴロ

症状に関する7項目「LQQTSFA」っていうのがあるんですが、この頭文字が覚えられねえ!子音多すぎ!と思い、私は「LIQOR AAA」っていうのを使いました。リカー、トリプルエー。覚えやすい。

L Location(部位)
I Intensity (強さ)
Q Quality (性状)
O Onset(発症機転・経過)
R Radiation(放散)
A Aggravating factors(増悪因子)
A Alleviating factors(寛解因子)
A Associated symptoms(随伴症状)

症状については最初にオープンに聞いた方がスムーズで、一通り話してもらった後に、もれはないかな?ってチェックに使う程度でした。放散とか使ってないですし。


これに加えて、症状以外の医学的情報、心理・社会的情報を聞くための「カキクケコサシスセソ」。

カ 家族歴
キ 既往歴
ク 薬
ケ 健診
コ 渡航
サ 酒・タバコ
シ 仕事・食事
ス 睡眠、ストレス
セ 生理
ソ その他(アレルギー、排泄、体重変化、ペットなど)

yaplog.jp

話の流れがブツ切れになる気がしたところは順番を入れかえたり、その他や思い出しにくいものは他のものにくっつけて聞いたりしました。仕事から睡眠、ストレスにつなげるとか、酒・タバコと食事、食欲、体重変化を続けて聞くとか。食事からアレルギーにつなげるとか。

聞きやすい流れで聞いた後、重大な聞きもらしはないかな?って振り返る時に使う感じ。OSCEでは最低限のことさえ聞けていればよくて、網羅する必要はないはずです。

検索して知ったゴロにケチつけるのも申し訳ないですし、あんまり大きな声で言うとじゃあお前作れって話になるんですが、聞くべき項目を網羅してて、順番も合ってて覚えやすいゴロがあったらいいんだけどなー。

セリフ

「性状」のようなテクニカルターム(?)は使わないようにしないといけないので、「どのような痛みですか?」など、質問項目それぞれに、1対1レベルでセリフを用意しておいた方がいいです。

そのまま口に出すのはちょっと、って言葉も同様に、排便についてなら「お通じはいかがですか?」とか。

同じことを聞いてるつもりでも、質問の仕方によって返ってくる言葉が違うってこともあり、質問の仕方は私たち学生が思ってる以上に重要なんだと思います。臨床の場面でも。

メモ

重大な聞きもらしが本当に怖く、メモの取り方は工夫しました。

聞かないといけないものが「症状」「症状以外の医学的情報」「心理・社会的情報」なので、紙を3つのエリアに区切って、それぞれ書く場所を決めておく。
症状については時系列を整理するために、数直線みたいに矢印を引いておきます(もちろん、この作業をするのは面接が始まってからですw)。

話を聞きながらメモを取り、3つのエリア全部がそれなりに埋まれば、おそらく大丈夫。

ただしメモは本当に適当でいいと思います。満遍なく聞けたかな〜ってチェックするくらいのつもり。このメモを何かに使うわけじゃないし。まとめのターンはあるけどざっくりでいいし。

それより患者さんとのコミュニケーションの方が大切かと。
練習の時、きれいにメモを取ることに集中しちゃって、あんまり患者さんの方見られてなかったね、って言われてる人もいました。

 

あと最後になりましたが体調管理!なんでいつも大きな試験は風邪が流行る冬にあるの!