続・アラサー女と医学部再受験

文系・元うつ・宅浪→編入試験に合格しました。医学生やってます。→国家試験に合格しました。研修医やってます。

暑いなー

今でもこのブログを見にきてくださる方がいらっしゃるようで。
勉強方法についてはもう古くなってあんまり参考にしていただける記事ではないと思います。そのまま載せっぱなしで申し訳ない・・・。


研修医生活、覚えないといけないことたくさんあるし、コロナはコロナだし、毎日わーわーやっていて気がついたら夏でした。

まあ元気にやってます。

国試、本番の雰囲気と禁忌・必修

わりと本番の記憶も薄れてきてますけど、思い出せる範囲でいくつか。

本番の独特の雰囲気

今年の国試は簡単だったとか言われてますけど、簡単な問題、それはそれで怖かったです。

多分答えはこれなんだろうけど、いつもの国試ならもっと深いとこ聞いてくるよね?本当にこれでいいの?どこかに禁忌かくれてない?(前の年のペニシリンアレルギーが脳裏を過ぎる)って疑おうと思えばいくらでも疑える。それだけの時間的ゆとりもある。

あの本番の雰囲気の中で問題を解いたことのあるものだけが石を投げよ。

 

近くの席の人のメンタル

ここまでやってきた医学生、とんでもなくテスト慣れしてるはずなのに、やっぱ本番は別ですね・・・。

Aブロックが終わった直後に近くで不安そうに答え合わせを始めた人たちがいて、それが耳に入ってくるの辛かったです。音楽聴けるもの持ってってよかった。次のブロックからは終わると同時に音楽聴いて、周りの音はシャットアウトしてました。

会場のルール

膝かけをチェックされるのとか、上着・マスクの着脱不可とか、トイレは同時に行けるの一部屋から一人だけとか、細々したルールが多かった。事前に先輩に確認しておいた方がいいかも。

トイレは行けるまでに時間かかるので、余裕を持って申請しましょう。私はちょっと泣きを見ました。

部屋の気温は、去年受けた人に「めちゃくちゃ寒かった」って聞いて覚悟してたらめちゃくちゃ暖房効いてました。寝るかと思った。次のブロックからは暖房ゆるめてくれてちょうどよかったです。

 

禁忌

模試では「ま、踏んだところで模試だし」って気楽に解いてしまって、しかも結果1回も踏まなかったけど、直前になって怖くなりました。国試せん妄を起こす可能性もあるし(結果的には禁忌0でしたが)。

明らかにダメなものは「禁忌踏ませにきてるな」ってわかる。が、そうじゃないやつをどうするか。

私の場合、

  1. いろんな考え方をできるようにする
  2. 頭の中にKSRを住まわせる

がよかったのかなあと思います。

1は、ストレートに考えて答えを出したあと、違う観点から検証するのに役立ったと思う。

例えば今年、リステリアの妊婦さんにどんな抗菌薬を使うか?という問題が出ていたんですけど、まずスペクトルから考えたらこれだよなあ、って考えて、妊婦さん禁忌の薬はなかったっけ?って他の選択肢を切る、みたいな感じ。*1

答えの出し方を一つしか持ってないと、本当にそうだっけ?って本番にど忘れした時にどうしようもないんですよね・・・。

いろんな考え方を身につけるためには、人と一緒に勉強するのがいいと思います。人の解き方聞いてると、そういう考え方もできるのか!っていうのが結構ある。QBのvoiceも役に立ちました。あえて意識を低くしてる系のコメントはよかった。そんなにざっくりシンプルに考えていいのか!とか。*2


2は1に含まれるかもしれないけど、サマライズ以降はKSRが問題を解説してくれて禁忌にもコメントをつけてくれるので、自分で問題を解く時にも脳内KSRがコメントをつけてくれるようになりました。

これのおかげで禁忌である理屈が頭に残るようになったような気がします。

あと禁忌に関しては、本番どうしても悩んじゃった場合にどうするか、あらかじめ考えておくといいかも。

臨床問題で、基本的に健康に見える気もするけどなんかちょっと違和感あるようなないような?っていうケース、本当に健康なら経過観察でOK、一見健康そうに見えても実はやばい病態が隠れていて即手術、みたいなのがあります。印象としては産婦人科にありがち。

実はやばい状態だった場合、経過観察は禁忌になりうる。健康な人に即手術も然り。

こういう問題ですごーく悩んだ場合、どっちも選ばずに空欄にしよう、とかそういうこと。当日初めて悩むと時間くうしメンタルにくるので、試験前に悩んでおいた方がいいと思います。

必修

必修のブロックの緊張感はやばかった。模試で、臨床の連問をさくさく落とす(200点中160点は死守しないといけないのに、1問間違えるごとに3点ずつ消えてく)っていうのを何度かやらかしてたので本当に怖かったです。

禁忌以上にメンタルが大事になると思う(禁忌単独落ちは稀だけど必修落ちの人は普通にいる)。

繰り返すけど、本当に怖かった。模試だと問題数少ないし問題文も短いし、簡単な問題ばかりで、楽なブロックだったんです。私が真面目に模試を受けてなかったってことでもあるけど。

問題文読み込んで読み込んで根拠を探すとともに、どう考えてもわかんないやつはみんなわかんないだろうなあと思って気持ち切り替えてました。割れそうなやつも、割れ過ぎれば&他のやつをきちんと取ってれば合否への影響は少ない。

ラスメかな、KSRが「必修はみんなで取りに行くブロックだ」って言っていて、そのときはよくわかんなかったけど(まあ般臨は相対評価なので全員で受かるのは無理)、本番で理解した気がしました。

銅のやつ。114E29ですわ。

銅欠乏なんて完全にノーマークで、本当に見当もつかず、ビタミンB12とセットになるなら葉酸だろ?とは思うけど症状が合わない気がする。

でもみんな同じように考えてるだろうなあと思って、多くの人が選ぶであろう葉酸を選びました。みんなと同じものを選んでおいて、合ってたらOK、間違っててもみんなで間違えれば削除になるのでそれはそれでOK。実際削除になりました。*3*4

KSRの意図を汲みとれてるかはわかんないですけど、マジョリティにのっかれっていうのは国試においてはほんとそう。


基本的には簡単な問題ばっかりだし、般臨対策してればそれなりに点数とれるようにはなるけど、必修には必修の考え方とか、出やすい範囲はある。身体診察とか。

必修は「いかに点を落とさないか」っていうブロックなので、やべえ、わからんって問題が出てくるとメンタルにきます。手が回りにくいかもしれないけど、ちゃんと対策しといた方がいいなと思いました・・・。

*1:検算をせずにするっと解いちゃった問題に禁忌が隠れてた疑惑があったりして、後から肝を冷やした問題もありました。霧の中まっすぐ歩いてきて、霧が晴れたら両側とも崖だった、みたいな気分。

*2:意識高い人のコメントとか運を持ってる人のコメント、「直前に友人と確認しておいてよかったです」系はメンタルにくることがある。

*3:仮に銅欠乏で亜急性連合性脊髄変性症が起こりうるって聞いたことがあったとしても、国試受験生的に絶対おさえるべきってほどメジャーな知識ではないのでみんなが銅を選びにいくとは思えず、本番選べてたかどうかわからないです・・・。般臨なら選べてたかもしれない。

*4:ところで今年、Jarisch-Herxheimer reactionが出るぞ出るぞって言われてたんですけど、結局出なかった。直前期に出回るそういう情報をどこまで追うかって悩ましいよね・・・。追ったところで取れるの1点とかだしコスパ悪いんだけど不安だから一応調べちゃう。

国試対策、やったこと

私の成績

自己採点で、必修94%、般臨85%、禁忌0でした(追記:成績通知書でも同様でした)。
今年みんな点数とれてたみたいで、必修般臨ともに偏差値50台後半。

模試の成績はどっかいっちゃったけど、こっちも大体偏差値50台半ば〜後半をうろうろしてたと思います。

やったこと

  • QB、MMの回数別(111〜113)
  • MEC
  • 模試:冬メック、3テコ、4テコ

そこそこまじめに取り組んだ方ではあると思うけど、根がのんびりや、そして自分を追い込むの禁忌なのでずっとスローペース、総量としては多分そこまでやりこんでないです。

年明け以降はとにかく自分のメンタルと体調守るの優先で、1日の勉強時間は4〜5時間くらい、気が向けばもうちょっと、気が向かなければ全くやらない日もありました。睡眠時間は死守。

QB

5年生の時から臨床実習と併行して解いてました。
CBTの時同様、紙とオンライン両方使ってたので何周したか正確にはわかりませんが、1周目問題を3〜4周はやってたと思う。1周目問題以外はやったりやらなかったり。
メジャーの重ための科目は1周目問題だけ。なにしろ量が多い。

必修と公衆衛生は全部やりました。

回数別直近3回分

私の愛するぶんこさんが、6年の夏にブロック順に解いたのが良かったとおっしゃってたのでやろうと思ってたんですけど、実習と卒試のせいで夏の間に解けたのは113のみ、112と111を順番に解くのが終わったのは冬に入ってからでした・・・。

しかもその頃には予備校の講義とかQBでも何回もその問題をやってるので答えを覚えており、点数が何の参考にもならないという・・・。

でもブロックの最後の方になってくると集中力が切れてくるとか、本番の調子を予想できるので、紙で順番通り解くというのはやってよかったです。

映像授業

ほぼMECのみ。Q-Assistとかmedu4と組み合わせてる人も多かったですが、私は予備校は1年分のカリキュラムを作ってるはずだからそれにのっかるのが自分に合ってると思ってMECを貫きました。名前は忘れたけどセットになってるコースで受講。

前期:臓器別、マイナー、小児、産婦人科
後期:サマライズ、公衆衛生、直前予想、ラスメ、(コクタマ)

オプション的に入ってくる特別講座は余裕がなくほとんど手付かず。

QBと映像授業をどう組み合わせるか問題ですが、私は5年生の間は実習と映像授業を両立させるのがめんどくさくて(まとまった時間をとれるとも限らないし)、QBを優先してました。
周囲には映像授業優先の人が多くて、私の知らない内容を話してるのを聞いて焦ったこともあるけど、最終的に辻褄が合えばいいじゃんってことにして、結局前期講座を見終わったのは卒試の勉強の時。

サマライズ以降のKSRの講座は、漫然とQB解いてるだけだとよくわかんない「国試の解き方」を教えてくれるのがよかった。必修臨床3点の緊張感とか、必修では検査より病歴・症候・身体診察を重視しろとか。

直前予想以降は、直前期焦ってくるからMECとってるのにやらない選択肢はないんですけど、結果的には、どうなんだろう。そこまで的中してなかったような。

コクタマ(国試前日に届く予想)も、去年は当たってたとの噂で登録してみたけど、どうだったんだろう、そこまで的中してなかったような。ただ国試前夜に同級生とコクタマの内容から話を広げていって、いろんなことの確認ができたのはよかった。

ただ、的中してたかどうかよりも、KSRについてくことで得られる安心感が大きかったです。
私の場合、「多くの受験生が触れてるものに自分が触れてない不安」に潰される可能性があったので。メンタル強い人は別にやらなくても大丈夫だと思う。ここで得られる新しい情報なんて知らなくても、それまでにきちんと勉強してれば通る。

ラスメも、会場の雰囲気がなんというか、あやしいセミナーっぽくて異様ではありましたが(実際全然関係ない人から見たらあやしいセミナーそのものだったと思う)、KSRについてけば大丈夫的な安心感はあった。KSRもそこを狙って教祖感出してるような気もする。


medu4は究極MAPだけは見ておこうと思ったんですが、とにかくサイトにつながらなくてつながらなくて、結局諦めました。

30分くらいしか見てないしmedu4の普段の講座をとってないので単純には比較できないけど、HZMは国試をあくまで試験としてとらえて攻略する感じ、MECのKSRは臨床の感覚まで教えてくれる感じで、私はKSRのやり方の方が好きだなあと思いました。どっちも賛否あるとは思う。

ただ30分くらいの中でも、国試のあの問題のこと言ってるんだなーというのがかなりあったので、本当によくまとまった講座ではあるんでしょう。もうちょっと値上げしてもいいからサーバを強くしてほしい・・・。

QBオンラインも直前期にちょこちょこつながらなくなっていて、全部オンラインで勉強しようとするのは危険かもなーと思いました。宣伝したいわけじゃないけどMECは安定してたよ。

模試

夏までは実習とマッチングがあるので復習の時間とれそうにないなと思って申し込まず、でも冬もサマライズが忙しくてあんまり復習できず。間違えた問題と、悩んだ問題の解説を読んだくらい。MMは去年の人の反応(難易度が無茶すぎて、直前期なのに心が折れそうになったとのこと)が怖くて申し込みませんでした。

テコムは規模と時期的に他に替えられるものがなかったので受けましたが、解説読んでもなんかいまいちすっきりしない問題もあったので復習にはこだわらず順位の確認程度に。

模試の回数を重ねるごとになぜか必修の点数が落ちていってめちゃくちゃ怖くて(たしか4テコで85%くらいまで落ちて、この調子だと本番80%切るのでは?って焦った)、QB必修を解きまくりました。般臨とは違った思考回路がいるよね・・・。

まとめノートは作らなかった

そんな時間はなかった。代わりに、レビューブックに書き込みまくってました。余白フル活用。付箋も貼りまくった。

手で書ける量じゃない時とか、付箋が手元にない時はEvernote。QBオンラインのメモとか、ネットで拾ったゴロとかをEvernoteにベタベタ貼り付けてく。タブレットでスクショとってとりあえず貼り付けとくとか。検索もできるので便利。

メンタルの弱い人間が医師国家試験に挑むということ

約2年ぶりのブログです。ご無沙汰してます。久しぶりすぎてパスワードもアドレスも忘れててちょっと焦りました。


さて、無事、国家試験に合格することができました。

メンタルやわやわの私が医学部に入ってからここまでストレートでやってこれたの、我ながらすごいと思います。本当にすごい緊張感だった。よくがんばった自分。


医学部生活最後の2年、特に国試が視野に入ってきてから、辛かったのは勉強よりも人間関係でした。学年の雰囲気というか。

医学部でここまでやってこれるような人って、基本的にセルフコントロール能力めちゃ高だと思うんですよ。なのに卒試とか国試とかが見えてくるとピリピリするの。その影響を受けるのがきつかったです。

なので結局、大体一人で勉強してました。幸いなことに、勉強会グループのメンバーとは「普段は一人で勉強したいけど時々会いたい」という距離感を共有できました。この勉強会のメンバーには本当に感謝。

一回、いよいよしんどくなってかつての主治医のところにかけこんだことはありましたが、前みたいに寝込んだりはせずに済みました。*1


医学部を受験してる時に思い知った、「この勉強で本当に受かるのだろうか?」っていう不安が一番足をひっぱる件については、今回はあんまり問題にならなかったです。

今の国試対策は予備校の映像授業をみるのが当たり前になっていて、そのペースにのっかっていればいいので。予備校のおかげで学生の負荷は増えてるけど、ペース作ってもらえるのはありがたい。「これやっときゃ大丈夫」っていう安心感。*2


あと、「目標を完全には達成できなくても、そこそこできてれば満足する」というマインドは今回も大切でした。

大学受験の勉強もそうですけど、やり込もうと思えば無限にやり込める、しかし時間は限られてる。
今回も、時間と私のキャパシティのせいで、予備校のカリキュラムを全部はこなせませんでした。でも最低限のものはやったし、模試の結果もそんなに悪くないし、いけるだろ、って最後には開き直りましたわ。

MECの名物先生KSRが、全部パーフェクトにやって受かる人なんていない、みんな傷だらけの勝利だ、っていうのを強調してましたけど本当にそうだと思う。


結論、生きてます。

*1:前かかってた時は医学生じゃなかったので、今回は私の医学部生活について話したり、先生の学生時代の話を聞いたりして、ちょっと新鮮でした。

*2:予備校のおかげで学生がんばる→国試側もがんばる、その結果生じたインフレが問題になってはいますが・・・。