国試、本番の雰囲気と禁忌・必修
わりと本番の記憶も薄れてきてますけど、思い出せる範囲でいくつか。
本番の独特の雰囲気
今年の国試は簡単だったとか言われてますけど、簡単な問題、それはそれで怖かったです。
多分答えはこれなんだろうけど、いつもの国試ならもっと深いとこ聞いてくるよね?本当にこれでいいの?どこかに禁忌かくれてない?(前の年のペニシリンアレルギーが脳裏を過ぎる)って疑おうと思えばいくらでも疑える。それだけの時間的ゆとりもある。
あの本番の雰囲気の中で問題を解いたことのあるものだけが石を投げよ。
近くの席の人のメンタル
ここまでやってきた医学生、とんでもなくテスト慣れしてるはずなのに、やっぱ本番は別ですね・・・。
Aブロックが終わった直後に近くで不安そうに答え合わせを始めた人たちがいて、それが耳に入ってくるの辛かったです。音楽聴けるもの持ってってよかった。次のブロックからは終わると同時に音楽聴いて、周りの音はシャットアウトしてました。
会場のルール
膝かけをチェックされるのとか、上着・マスクの着脱不可とか、トイレは同時に行けるの一部屋から一人だけとか、細々したルールが多かった。事前に先輩に確認しておいた方がいいかも。
トイレは行けるまでに時間かかるので、余裕を持って申請しましょう。私はちょっと泣きを見ました。
部屋の気温は、去年受けた人に「めちゃくちゃ寒かった」って聞いて覚悟してたらめちゃくちゃ暖房効いてました。寝るかと思った。次のブロックからは暖房ゆるめてくれてちょうどよかったです。
禁忌
模試では「ま、踏んだところで模試だし」って気楽に解いてしまって、しかも結果1回も踏まなかったけど、直前になって怖くなりました。国試せん妄を起こす可能性もあるし(結果的には禁忌0でしたが)。
明らかにダメなものは「禁忌踏ませにきてるな」ってわかる。が、そうじゃないやつをどうするか。
私の場合、
- いろんな考え方をできるようにする
- 頭の中にKSRを住まわせる
がよかったのかなあと思います。
1は、ストレートに考えて答えを出したあと、違う観点から検証するのに役立ったと思う。
例えば今年、リステリアの妊婦さんにどんな抗菌薬を使うか?という問題が出ていたんですけど、まずスペクトルから考えたらこれだよなあ、って考えて、妊婦さん禁忌の薬はなかったっけ?って他の選択肢を切る、みたいな感じ。*1
答えの出し方を一つしか持ってないと、本当にそうだっけ?って本番にど忘れした時にどうしようもないんですよね・・・。
いろんな考え方を身につけるためには、人と一緒に勉強するのがいいと思います。人の解き方聞いてると、そういう考え方もできるのか!っていうのが結構ある。QBのvoiceも役に立ちました。あえて意識を低くしてる系のコメントはよかった。そんなにざっくりシンプルに考えていいのか!とか。*2
2は1に含まれるかもしれないけど、サマライズ以降はKSRが問題を解説してくれて禁忌にもコメントをつけてくれるので、自分で問題を解く時にも脳内KSRがコメントをつけてくれるようになりました。
これのおかげで禁忌である理屈が頭に残るようになったような気がします。
あと禁忌に関しては、本番どうしても悩んじゃった場合にどうするか、あらかじめ考えておくといいかも。
臨床問題で、基本的に健康に見える気もするけどなんかちょっと違和感あるようなないような?っていうケース、本当に健康なら経過観察でOK、一見健康そうに見えても実はやばい病態が隠れていて即手術、みたいなのがあります。印象としては産婦人科にありがち。
実はやばい状態だった場合、経過観察は禁忌になりうる。健康な人に即手術も然り。
こういう問題ですごーく悩んだ場合、どっちも選ばずに空欄にしよう、とかそういうこと。当日初めて悩むと時間くうしメンタルにくるので、試験前に悩んでおいた方がいいと思います。
必修
必修のブロックの緊張感はやばかった。模試で、臨床の連問をさくさく落とす(200点中160点は死守しないといけないのに、1問間違えるごとに3点ずつ消えてく)っていうのを何度かやらかしてたので本当に怖かったです。
禁忌以上にメンタルが大事になると思う(禁忌単独落ちは稀だけど必修落ちの人は普通にいる)。
繰り返すけど、本当に怖かった。模試だと問題数少ないし問題文も短いし、簡単な問題ばかりで、楽なブロックだったんです。私が真面目に模試を受けてなかったってことでもあるけど。
問題文読み込んで読み込んで根拠を探すとともに、どう考えてもわかんないやつはみんなわかんないだろうなあと思って気持ち切り替えてました。割れそうなやつも、割れ過ぎれば&他のやつをきちんと取ってれば合否への影響は少ない。
ラスメかな、KSRが「必修はみんなで取りに行くブロックだ」って言っていて、そのときはよくわかんなかったけど(まあ般臨は相対評価なので全員で受かるのは無理)、本番で理解した気がしました。
銅のやつ。114E29ですわ。
銅欠乏なんて完全にノーマークで、本当に見当もつかず、ビタミンB12とセットになるなら葉酸だろ?とは思うけど症状が合わない気がする。
でもみんな同じように考えてるだろうなあと思って、多くの人が選ぶであろう葉酸を選びました。みんなと同じものを選んでおいて、合ってたらOK、間違っててもみんなで間違えれば削除になるのでそれはそれでOK。実際削除になりました。*3*4
KSRの意図を汲みとれてるかはわかんないですけど、マジョリティにのっかれっていうのは国試においてはほんとそう。
基本的には簡単な問題ばっかりだし、般臨対策してればそれなりに点数とれるようにはなるけど、必修には必修の考え方とか、出やすい範囲はある。身体診察とか。
必修は「いかに点を落とさないか」っていうブロックなので、やべえ、わからんって問題が出てくるとメンタルにきます。手が回りにくいかもしれないけど、ちゃんと対策しといた方がいいなと思いました・・・。
*1:検算をせずにするっと解いちゃった問題に禁忌が隠れてた疑惑があったりして、後から肝を冷やした問題もありました。霧の中まっすぐ歩いてきて、霧が晴れたら両側とも崖だった、みたいな気分。
*2:意識高い人のコメントとか運を持ってる人のコメント、「直前に友人と確認しておいてよかったです」系はメンタルにくることがある。
*3:仮に銅欠乏で亜急性連合性脊髄変性症が起こりうるって聞いたことがあったとしても、国試受験生的に絶対おさえるべきってほどメジャーな知識ではないのでみんなが銅を選びにいくとは思えず、本番選べてたかどうかわからないです・・・。般臨なら選べてたかもしれない。
*4:ところで今年、Jarisch-Herxheimer reactionが出るぞ出るぞって言われてたんですけど、結局出なかった。直前期に出回るそういう情報をどこまで追うかって悩ましいよね・・・。追ったところで取れるの1点とかだしコスパ悪いんだけど不安だから一応調べちゃう。